モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

今回は、「モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか」です。

この本は、レビュープラスさんに献本いただきました。ありがとうございます。

モチベーションの引き出し方の本かと思っていたのですが、もう少し理論ぽい感じで各種の実験による結果の紹介と様々な会社等へのインタビューが中心担っている本でした。

章立てとしては、以下のようになっています

  • 第1部 新しいオペレーションシステム
    • 第1章 モチベーション2.0の盛衰
    • 第2章 アメとムチが(たいてい)うまくいかない7つの理由
    • 第3章 タイプIとタイプX
  • 第2部 モチベーション3.0 3つの要素
    • 第4章 自立性
    • 第5章 マスタリー
    • 第6章 目的
  • 第3部 タイプIのツールキット

第1部は、今までの「やる気」の引き出し方をモチベーション1.0と2.0の2つの時代に分けて紹介されています。1.0は近代化される以前の時代を想定されていますので、主に2.0について述べられています。

こので書かれているやる気は、個人が自分でやる気をいかに出すか、という自己啓発的なものというよりは企業や団体がその構成員のやる気をいかに出させていくかという点に焦点が当てられています。

よくいわれる、「報酬を与えると逆に結果が下がる」といった事から始まり、従来の手法がいかに現代にマッチしないかが3章にわたって書かれているのですが、単にマッチしない事を述べるのではなく、科学的な実験とその結果を説明しながら述べている点が興味深かったです。

第2部は、今までと異なるやる気の出し方、つまり「モチベーション3.0」をいかにださせるかという点が紹介されています。これは3つの要素「自立性」「マスタリー」「目的」に分解されていて、それぞれの要素について説明がなされています。

こうした3つの要素は他の自己啓発本でも見られる要素ですが、ここでも実際にそれを取り入れられている会社や団体、そしてその効果が細かく述べられており、導入のプロセスにおける困難さやその効果といった事をガイド的に知ることができます。

全体を通してみて、やる気を引き出すノウハウ本というよりは、やる気を引き出す為のキーワードと、そのキーワードを得るに至った科学的根拠、実践してみた人のインタビューという構成になっています。単純なノウハウを知りたいという方には不向きかと思いますが、その背景まで含めて知りたいという方には良い本では無いでしょうか。