新書による多読の薦め

今回は、小飼 弾さんの「新書がベスト」です。

いわゆる読書推奨系の本ですが、その中で新書にターゲットを絞って書かれているのが特徴的です。

章立てとしては、以下のようになっています

  • 序章 生き残りたければ、新書を読め
  • 1章 新書の買い方、読み方
  • 2章 新書を10倍生かす方法
  • 3章 新書レーベルめった斬り
  • 4章 新書と電子ブックの未来

序章の部分は他の読書推奨系本でもいわれているとおり、「世の中の多くの人は本を読んでいない事」「本も全てがいいとは限らない事」などが書かれています。特徴的なのは、「本を読むことが強みになるかどうかの境目は、1000冊です」と書かれているところでしょうか。1000冊と書くと大抵の人がひるむのかもしれないので、他では書いていないのかもしれませんが、なかなか多く感じる冊数がターゲットとしてかかれていました。

1章〜2章も基本的な読書の薦めとそのノウハウが書かれていますので、多読本を読んだことが無い方には目新しい内容でないかと思います。

この本で最も興味深かったのは3章の「新書レーベルめった斬り」でした。「岩波新書」から始まり「中公新書」「ちくま新書」と全24レーベルが紹介されています。レーベルの分析と、そのレーベルにおける小飼さんのお勧め本とダメ本が掲載されていて、この3章は私の用に新書になじみが薄い人にとてガイドブックとして非常に価値があるのではないでしょうか。

少なくとも私はここであげられているいくつかのレーベル本は読んだことがありませんでしたので、この紹介をみて手を出して見たいと思うようになりました。

第4章は最近のはやりのキーワードをはめ込んだという蛇足感があります。ページ数も多くないですし読み流すのもよいでしょう。

特に新書になじみが薄い方が羅針盤的にどんな新書があり、その特徴を知りたいというときにまず手に取ってみると良い本に仕上がっていると思います。逆に新書に親しみがあるひとでしたら読みどころは少ないかもしれません。